しない悪影響
1年に4回だけですが、うっかり忘れてしまったり面倒に思ったりとメンテナンスしない方も少ないながらいらっしゃいます。メンテナンスをしないと起こりうる主な悪影響を5つご紹介します。
インプラント周囲炎の発症
インプラント周囲炎とは、細菌に感染することで発症する歯周病のような病気です。インプラント自体は人工物なので影響はありませんが、その周囲の歯肉や歯槽骨に炎症を引き起こします。重度になると顎骨を溶かしてしまいます。
天然歯に感染する歯周病との大きな違いは、その進行の速さです。非常に速い速度で進行するうえ、自覚症状が少ないという厄介な特徴を持っています。痛みやインプラントの揺れなどを自覚したときには、もう重度インプラント周囲炎になっていることが多いです。
インプラントの脱落
インプラントを支える歯槽骨が溶けることで脱落しますが、先に挙げたインプラント周囲炎もその一因です。他に考えられる原因として、悪い噛み合わせによりインプラントに大きな負荷がかかっている場合も歯槽骨が溶けて抜けて落ちてしまいます。
噛み合わせは毎日少しずつ変化していくうえ、自分では変化を気付きにくいものです。定期的にメンテナンスを受けることで、噛み合わせのズレが起きないように調整できます。大きな負荷がかかる前に修正できるため、長くインプラントを使い続けられます。
人工歯の破損
悪い噛み合わせは、インプラントだけでなく人工歯にも大きな負荷がかかっています。当院で採用しているオールジルコニアやオールセラミックといったセラミック製の人工歯は、レジンよりも強度の高いものですが、強い力を日常的に受け続けていると割れたり、ヒビが入ったりする恐れがあります。
当院ではインプラント治療とともに咬合調整も行います。正しい噛み合わせを維持し、インプラントを長く使い続けるためにも、医師にお口の中の状態を定期的にチェックしてもらうようにしましょう。
インプラント周囲の虫歯リスク
インプラント自体は人工的なものなので虫歯になることはありませんが、周囲の残存歯は虫歯になる可能性があります。インプラントの周囲に歯垢(細菌の塊)が付着することで虫歯のリスクが高まります。
定期的なメンテナンスでは、患者様に合わせた効果的なセルフケアの方法を指導しています。インプラントと歯の間、インプラントと歯茎の間など、溜まりやすく除去しにくい部分の磨き方をお教えします。
治療保証が受けられない
多くの場合、インプラント治療にはインプラントメーカーによる治療保証が付いており、「医師の指示通り、定期的にメンテナンスへ通っていること」が保証を受けるための条件として設定されています。
メンテナンスを受けているか受けていないかで、再治療の費用が大きく変わります。当院では、3ヶ月に1度はメンテナンスを受けるようお願いしています。また、定期的に通院することで、インプラントだけでなくお口の中全体をチェックできるので、残っている天然歯の寿命を延ばすことにも繋がります。