インプラントは失った歯を天然歯に近い状態を取り戻すことができる治療ではありますが、自由診療になるため、治療費が高額になるというデメリットもあります。保険がきかないため、治療の選択肢として選びにくいという方も少なくないと思います。
しかしながら、症状によってはインプラント治療を保険適用で受けることができる場合があり、費用の負担を少なくできるのは大きなメリットになります。
インプラントを検討される時は、ご自身の症状でどのように診断がされるのか調べてみることをお勧めいたします。
インプラントの保険適用については、「広範囲顎骨支持型装置および広範囲顎骨支持型補綴の保険適用」として定められています。自由診療で行われているものとの混同や混乱を避ける目的で「インプラント」という文字は使われないのでやや分かりにくいですが「 広範囲顎骨支持型装置埋入手術」と呼ばれます。 それによると、保険の適用には以下の条件に当てはまる必要があります。
これらのような症状が認められる場合は、保険を適用してインプラントの治療が可能になります。つまり、一般的な虫歯や歯周病等で失われた歯の治療としてインプラントを保険適用にすることは出来ません。その分、不幸な事故に見舞われた場合や生まれつきの病気で歯を支える骨や歯そのものが無い場合は、保険を適用して治療することができるというわけです。
その他に、症状の他にも治療をしてもらう施設にも指定があり、どの歯科医院でも受けられるわけではありません。治療が可能な施設の条件は以下のようになっています。
以上の項目を満たしている必要があり、基本的には大学病院等の体制が整っている病院の口腔外科での治療となります。
もし一般の歯科医院でインプラントの保険適用が可能と判断された場合、対応の可能な施設への紹介状を書いてもらいましょう。
やはり、一般的な症状でインプラント治療を選ぶ場合は高額になってしまうという懸念がありますが、「医療費控除」を利用することで負担を少なくすることができます。
医療費控除とは、自由診療を含む、咬み合わせや咀嚼機能などを改善するための医療費を一定額以上使った際、医療にかかった費用に応じて一定金額が還付金として返還される制度です。インプラントは基本的に医療費控除の対象となり、インプラントは1本30~50万円程度の費用になるので、1本からでも医療費控除を適用することができます。
インプラント治療はいたずらに高額な治療というわけではなく、症状が認められた場合には保険が適用されるということと、そうでない場合でも「医療費控除」を利用することで負担を軽減できるという点があることがお分かりいただけたかと思います。
当院ではインプラントの治療の際は、しっかりとしたカウンセリングを行ったうえで治療に臨ませていただきます。お困りの際はお気軽にご来院ください。