アップル歯科コラム

インプラント編 vol. 13 インプラント治療後の歯磨き

金属やセラミックなどで作られたインプラントは、虫歯菌・歯周病菌といった細菌に感染することはありません。しかし、インプラント周辺にある天然の歯や歯肉は細菌感染してしまいます。
特に、歯周病菌によって引き起こされる「インプラント周囲炎」は、せっかく入れた歯を失いかねない恐ろしい病です。

インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の歯肉や歯槽骨が歯周病菌に感染することで発症します。炎症を起こして、歯茎が腫れたり出血したりします。症状が進むとインプラントを支える歯槽骨が溶けて、最悪の場合はインプラントが抜けてしまうこともあります。
また、天然歯には歯根膜という菌から身を守るためのバリア機能がありますが、インプラントにはありません。そのため、細菌感染を起こしやすく、進行しやすいです。さらに痛みといった分かりやすい自覚症状がなく、気付いた時には重症化していた…ということも。

インプラント周囲炎を予防し、長くインプラントを使い続けるには正しくお手入れすることが大切です。天然歯と同じように、患者様による毎日のセルフケアと、定期的に歯科医院で受けるメインテナンスをしっかり実施することが将来の健康につながります。
インプラントの寿命だけでなく、残った天然歯を失わないためにもセルフケアとメインテナンスの両方を欠かさず続けていきましょう。

毎日の歯磨きは、虫歯やインプラント周囲炎の予防には欠かせません。定期メインテナンスでは、セルフケアの質を高めるために、磨き残しを踏まえてブラッシング指導を行っています。

また、歯ブラシだけででは落としきれないプラーク（歯垢）を除去するため、歯間ブラシや洗口剤の使用もおすすめしています。患者様のお口に合わせたセルフケア用品の選び方などもお教えしております。

3～4ヶ月に1回程度の定期メインテナンスでは、磨き残しや噛み合わせ、お口の中に異常がないかなどを確認します。プロフェッショナルクリーニングにて歯がツルツルになるまで磨き上げることで、インプラントや残っている天然歯を守ることに繋がります。

さらに、歯ぎしり・食いしばり等の悪癖や、噛み合わせのズレは無自覚に発生します。定期的にチェックし、噛み合わせ調整を受ければ、インプラントに大きな負担を与えて寿命を縮めることを回避できます。