悪影響!
飲酒について
お酒が好きな方にとって、インプラント治療期間はお酒を控えたほうがいいとはいえ、気になるのが「いつから」「いつまで」控えるべきかという点でしょう。インプラント手術を受ける前後、具体的にどれくらい控えるべきかをご紹介します。
インプラント手術前日
適量であれば、お酒を飲んでも問題ありません。飲み過ぎれば体の免疫機能を低下させてしまうため、飲む場合は1~2杯程度で留めるようにしましょう。また、体質的にアルコールに弱い人は、飲まない方が無難です。
インプラント当日の飲酒
手術当日の飲酒はやめてください。アルコールには血流をよくする効果があり、術前に飲酒してしまうと術中・術後の出血や腫れがひどくなるリスクが高まります。また、抗生物質や痛み止めなどのお薬の効きが悪くなってしまう可能性もあります。
インプラント術後の飲酒
術後1週間は禁酒するようにしてください。
1週間ほど経って歯肉の傷が塞がったら、お酒を飲んでも問題ありませんが、あまりに大量に飲んでしまうと唾液の分泌が少なくなってしまいます。唾液は口の中をきれいにする働きがあるため、清潔な環境が必要なインプラントには欠かせません。お酒を飲む場合は、適度な量を心がけるようにしましょう。
与える悪い影響4つ
お酒には血行を良くする働きがありますが、この作用は手術後の傷に悪い影響を与えてしまいます。腫れや痛みが強くなるケースもあれば、インプラント治療自体が失敗する場合も…。
炎症の悪化
転んだ時など、傷口に腫れや赤み、発熱が起きたことはありませんか? これは傷口が炎症を起こしているサインで、傷にいる細菌を倒すために発症していますので、しばらくすれば治まります。
インプラント治療も同様に炎症を起こしますが、ここで飲酒をしてしまうと傷の炎症が悪化する恐れがあります。細菌を倒すためでなく、アルコールで血流が良くなるために起こるので、正常な状態よりも傷の腫れや痛みがひどくなってしまいます。
インプラントと骨の結合を
阻害する
多くのインプラントはチタンで作られています。チタンは生体親和性が高く、オッセオインテグレーションという光学顕微鏡レベルの骨結合を起こします。
アルコールはカルシウムの吸収を妨げるため、インプラント治療において重要なオッセオインテグレーションを邪魔してしまいます。インプラントの初期結合が上手く得られないと、その後の治療が長期化したり、最悪失敗に終わったりすることもあります。
傷の治りが遅い
インプラント手術でできた傷を治すために使われるべきエネルギーや栄養が、アルコールの分解に使われてしまうため、傷の治りが遅くなることがあります。
また、傷が治るためには、血が止まっているかどうかは重要な点です。アルコールは血の巡りをよくし、出血を引き起こすため、治癒を邪魔してしまいます。
薬が効きにくくなる
特に、お酒を毎日飲んでいる方は有害なアルコールを分解しようと肝臓が常に働いており、アルコールではない物質までもはやく分解する状態になっています。そのため、抗生物質や痛み止めなどのお薬を飲んでも、すぐに代謝されてしまい、期待よりもお薬の効果が出ないことがあります。
この働きを抑えるには一定期間の禁酒が必要になるので、毎日飲酒している方は術前1~2週間ほどお酒をやめるようお願いしています。
控えましょう