よって
起こりうる
「上顎洞炎」
発症する原因
虫歯や歯周病によっても引き起こされる歯性上顎洞炎ですが、インプラント治療のリスクとしても挙げられます。インプラント治療のなにが上顎洞炎の原因になるのでしょうか。
無理な治療計画
上顎洞粘膜が傷つき炎症が起こると、上顎洞炎になります。インプラント手術では、ドリルで骨に穴を開けてから人工歯根を埋入します。上顎洞粘膜ギリギリまでインプラントを埋入する計画を立ててしまうと、粘膜を傷付けるリスクが高まります。
また、インプラントを適切な位置、角度、深さで埋入できなかった場合、粘膜を突き破って内側に入り込むことがあります。副鼻腔に異物がある状態になり、炎症が起きやすくなります。
骨造成
インプラント治療には、人工歯根をしっかりと支えられるだけの骨量が必要です。上顎には上顎洞があり、下顎よりも骨量が少ないことが多いため、骨を増やすための骨造成を行うことがあります。
上顎に骨造成を行う場合、骨を作る場所を確保するために上顎洞粘膜を押し上げる工程があります。その際に粘膜を傷付け、上顎洞炎になってしまうことがあります。
インプラント周囲炎
インプラント周辺の組織が歯周病菌に感染することで発症するのが、インプラント周囲炎です。通常の歯周病と同様に、炎症を引き起こして顎骨を溶かしてしまうため、最悪の場合はインプラントが脱落します。
インプラント周辺の歯肉や骨に感染した細菌が、上顎洞粘膜に移ってしまうと上顎洞炎に発展することがあります。インプラント周囲炎自体は初期症状が薄く気付きにくいのも、上顎洞炎のリスクを高めます。
起こさない対策
上顎洞炎・副鼻腔炎を起こさないために、インプラント術前・術後にできる対策をご紹介します。医院選びの段階から、しっかり対策しましょう。
インプラント治療に
対応した医院を探す
インプラント治療で歯性上顎洞炎を起こす要因には、医師の経験不足や医院の設備不足といった医院側に問題があることも。インプラント治療は歯科医師であれば施術できますが、治療実績がどれくらいあるのかを公開している医院を選ぶと安心です。
また、細菌感染によって上顎洞炎やインプラント周囲炎が発症するため、衛生管理体制がしっかりしていたり、完全個室の手術室を備えていたりするかどうかを確認しましょう。
アレルギー性鼻炎
のある時期は避ける
花粉症を含むアレルギー性鼻炎が起こる時期は、上顎洞炎のリスクが高まるため避けましょう。上顎洞炎は細菌感染によって、アレルギー性鼻炎はアレルゲンによって発症するという違いがありますが、穴の粘膜が炎症を起こす点では同じです。
アレルギー性鼻炎と上顎洞炎が合併してしまうと、アレルギーの季節が過ぎても症状が治まらないといったトラブルが起きます。
定期メインテナンス・
セルフケア
を怠らない
上顎洞炎は、インプラント周囲炎と同じく細菌に感染することで発症します。そのため、インプラント治療後のお口ケアは大変重要です。
医院での定期的なメインテナンス受診と、ご自宅での毎日行うセルフケアを怠らず、しっかりケアを行いましょう。また、術後に処方される抗生物質は、上顎洞炎のリスクを避けるためにも必ず飲むようにしてください。